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PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する を拒否する方法

Windows11 を使用していると突然「PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する」という全画面メッセージが表示されることがあります。
Windows Update を完了して、パソコンが再起動してきた直後に表示されることが多いようです。

このメッセージ、よく考えずに[続ける]をクリックして進めて行くとかなりの確率でトラブルの原因になりますので注意が必要です。
「勝手にOneDriveにバックアップされてしまった!」という声もよくお聞きします。
ここでは、勝手にOneDriveにバックアップされることがないように、このメッセージの意味と、対処方法について説明していきます。

「PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する」全画面メッセージのイメージ画像
目次

バックアップを勧める全画面メッセージの意味とは?

「PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する」以外にも、「今すぐバックアップしましょう」とか「ファイルをバックアップしましょう」という別の全画面メッセージが表示されることもあります。

これらはすべて、OneDrive の利用を即す誘導メッセージです。
OneDriveとは、マイクロソフト社が提供するクラウドストレージサービスです。
Windows10 や、Windows11 に標準機能として搭載されています。

「Windows の標準機能で、パソコンのバックアップが取れるならいいじゃない!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。
この、OneDriveのバックアップ機能の仕組みを理解せずに設定してしまうと、かなりの確率でトラブルに見舞われる可能性があります。

OneDriveのバックアップ機能で発生するトラブルとは?

OneDriveのバックアップ機能でどのようなトラブルが発生するのか事例をご紹介します。

  • メールソフト Outlook(classic)が起動しなくなる。
  • デスクトップにあったアイコン、ショートカット、データが消えてしまう。
  • 複合機などからのスキャンがエラーになりスキャンが出来なくなる。
  • 最悪の場合、データが消失してしまう可能性もあります。
  • 意図せず、別のパソコンとデータが同期されてしまう可能性がある。

このようなトラブルが実際に発生するとかなり焦ってしまうのではないでしょうか?
特に、会社で使用しているようなパソコンでは完全に仕事がストップしてしまいます。

ではなぜこのようなトラブルが発生するのか?
それには、OneDriveのバックアップ機能の仕組みが大きく関わっていますので、次にその仕組みをご説明します。

OneDriveのバックアップ機能の仕組みを解説

OneDriveのバックアップ機能を有効にすると、以下のフォルダーがOneDriveの中に強制的に移動されます。

  • ドキュメント
  • ピクチャ
  • デスクトップ
  • ミュージック
  • ビデオ

そして、Windows の標準機能として無料で使えるOneDriveの容量は、5GB です。

5GB しか容量がないところに、これらのフォルダーを保存しようというのですから無理があります。
写真データや音楽データ、動画のデータなどのことを考えると圧倒的に容量が足りません。
容量が足りないところに、ムリヤリ保存しようとするようなものなので、最悪の場合、データ消失などのトラブルの原因となり得ます。

上述したトラブル事例の「最悪の場合、データが消失してしまう可能性もあります。」の原因はこの容量不足にも一因があります。

Microsoft 365 を有料で契約すると、OneDriveの容量は 1TB に増えますが、仕事などで使っていないかぎり、一般個人の方で契約されてる人は少ないと思いますので、ここでは Windows の標準機能としての無料版OneDriveについてお話しをすすめていきます。

この容量不足以外にもさまざまなトラブルとなる要因がありますので次の項目で説明していきます。

OneDriveのバックアップ機能に起因するトラブルの原因について

上述したトラブル事例の原因についてひとつずつ説明します。

メールソフト Outlook(classic)が起動しなくなる。

Outlookのメールデータは、[ドキュメント] の中の [Outlookファイル] というフォルダに保存されています。
[ドキュメント] フォルダが、強制的にOneDriveの中に移動されてしまうと、Outlookのメールデータも別の場所に移動してしまうということです。
この状態で Outlook を起動すると、データが存在しないということになりエラーを起こして起動しなくなります。

Outlookのメールデータの場所(初期値)

C:¥Users¥(ユーザー名)¥Documents¥Outlook ファイル¥

OneDriveでバックアップ設定後のOutlookのメールデータの場所

C:¥Users¥(ユーザー名)¥OneDrive¥Documents¥Outlook ファイル¥

デスクトップにあったアイコン、ショートカット、データが消えてしまう。

パソコンを立ち上げた際に表示されるデスクトップも実態は [デスクトップ] というフォルダです。
本来は、[Cドライブ] → [ユーザー] → [(ユーザー名)] → [デスクトップ] この場所に保存されています。
しかし、バックアップ設定によって、 [デスクトップ] フォルダが強制的にOneDriveの中に移動されてしまうと、通常表示されているデスクトップ画面からは中身が消えた状態になってしまいます。

[デスクトップ] フォルダの場所(初期値)

C:¥Users¥(ユーザー名)¥Desktop¥

OneDriveでバックアップ設定後の[デスクトップ] フォルダの場所

C:¥Users¥(ユーザー名)¥OneDrive¥Desktop¥

複合機などからのスキャンがエラーになりスキャンが出来なくなる。

たとえば、複合機からスキャンしたデータが保存される [Scan] フォルダが、[ドキュメント] フォルダの中にあったとします。
バックアップ設定によって、 [ドキュメント] フォルダが別の場所に移動してしまうと、スキャンしたデータの送信先のフォルダが無くなってしまうので送信エラーとなります。

[Scan] フォルダの場所(初期値:一例)

C:¥Users¥(ユーザー名)¥Documents¥Scan¥

OneDriveでバックアップ設定後の[Scan] フォルダの場所(一例)

C:¥Users¥(ユーザー名)¥OneDrive¥Documents¥Scan¥

このように、バックアップ設定によって、ユーザーデータが保存されているフォルダが別の場所(OneDrive の中)に強制的に移動されてしまうと様々な障害が起きることになります。
また、OneDriveの中にあるデータを不要なものと勘違いして削除してしまったり、突然消えたデスクトップにあったデータを探していて、不注意でOneDriveの中のデータを消してしまうなどということが起こるかもしれません。
このような勘違いや操作ミスで大切なデータを削除してしまうリスクも起こりやすくなります。

意図せず、別のパソコンとデータが同期されてしまう可能性がある。

Windows11 のセットアップや、Microsoft Office のセットアップの際に、あまり深く考えずにマイクロソフトアカウントを作成してしまったような場合、「意図せずにそのアカウントでOneDriveにサインインしてしまっている。」というようなケースもあるかと思います。
もし、そのマイクロソフトアカウントを使用して、別のパソコンのOneDriveにサインインしてしまったとしましょう。
下の図のように、Aさんのパソコンの中のデータは、知らない間に同期されてBさんのパソコンから閲覧や編集ができる状態になってしまいます。

OneDriveの同期の仕組みを現したイメージ図

マイクロソフトアカウントは、Windows、Officeソフト、Edge、OneDriveなどと密接に関わっていますので、意外かもしれませんが、知らない間に他のパソコンと同期していた。なんてことが起こりやすいのです。
気を付ける必要があります。

このような予期せぬトラブルに合わないためにも、「PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する」、「今すぐバックアップしましょう」、「ファイルをバックアップしましょう」という全画面表示は先に進めず拒否することをおすすめします。

OneDrive のバックアップ設定を勧める全画面メッセージを拒否する方法についてつぎの項目で説明します。

Windows11 / Windows10 でバックアップを勧めるメッセージ画面を拒否する方法

全画面表示のメッセージなので次に進むボタンしかないよ!?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが大丈夫です。
このメッセージを拒否する方法を説明します。

[バックアップのオプトアウト]をクリックします。

[バックアップのオプトアウト]をクリックします。

次の画面で[今はスキップ]をクリックします。
これで、OneDrive のバックアップ設定を拒否して、通常のデスクトップが表示されます。

[今はスキップ]をクリックすると、通常のデスクトップ画面が表示されます。

この拒否を示す文字で書かれたリンクは、表示されるメッセージによって異なる場合がありますが、「オプトアウト」「今はスキップ」「拒否」「このPCにのみファイルを保存する」このような文字で書かれたリンク部分を見つけてクリックしてみてください。

Windows のバックアップメッセージによる予期しないトラブルを未然に防ぐ方法を説明してきましたが、もし無意識的に次に進めてバックアップ設定をしてしまった場合の対処方法を次の項目で説明します。

OneDriveのバックアップ設定を解除する方法

タスクバーの通知領域(タスクトレイ)のOneDriveアイコン(雲のマーク)を右クリックして、表示されるメニューから[設定]をクリックします。

OneDriveアイコン(雲のマーク)を右クリックして、[設定]をクリックします。

OneDriveの設定画面から[同期とバックアップ] [バックアップを管理]をクリックします。

[同期とバックアップ]の項目にある[バックアップを管理]をクリックします。

バックアップ設定がされているフォルダは、スイッチが有効になっています。

OneDriveでバックアップ設定がされているフォルダは、スイッチが有効になっています。

スイッチをすべてOFFにして、[変更の保存]をクリックします。
バックアップ設定がすべて解除されるまで時間がかかる場合もありますので完了するまで待ちます。

スイッチをすべてOFFにして、[変更の保存]をクリックします。

エクスプローラーでOneDriveのフォルダを開きます。

エクスプローラーでOneDriveのフォルダを開きます。

OneDriveの中にあるフォルダやデータを、元の場所にコピーして戻してください。

OneDriveの中の[ドキュメント]フォルダの中身を、本来の[ドキュメント]フォルダの中へコピーします。
OneDriveの中の[デスクトップ]フォルダの中身を、本来の[デスクトップ]へコピーします。
など…他のフォルダも同じようにコピーします。

コピーする際には以下の点に注意してください。

  • OneDriveの容量が足りず、バックアップした際のデータの移動が中途半端になっている可能性があります。
  • OneDriveの容量が足りず、クラウド上との同期が中途半端になっている可能性があります。

このような状態になっている場合も想定して、元のデータと齟齬がないかを慎重に確認しながら元の場所に戻してください。
見つからないデータなどがある場合は、ブラウザを使用してOneDriveのサイトにアクセスして、使用していたマイクロソフトアカウントでサインインしてください。
クラウド上のOneDriveの中や、OneDriveの中のゴミ箱の中を探してみてください。

Microsoft OneDrive

クラウド上のOneDriveの中や、OneDriveの中のゴミ箱の中を探す。

ここまでOneDriveのバックアップ設定について説明してきましたが、「PCをバックアップしてファイルと想い出を保護する」、「今すぐバックアップしましょう」、「ファイルをバックアップしましょう」という全画面メッセージが表示されたらまずは拒否することをおすすめします。

OneDriveのバックアップの仕組みを理解して、有料版の契約でOneDriveの容量を増やしてからバックアップ設定をされるかどうか検討してみてください。

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